毛布をかけた牛を載せ、街なかを走り抜けてゆくトラック…えっ?よく見ると牛は模型?ロボット?思わず振り返って二度見しちゃう。これは私たちがわくわくモーモースクールに出かけるとき、通行人の方によく見られる光景です。
驚かせてしまってごめんなさい。これから牛の等身大模型を運び込み、小学生の皆さんに疑似搾乳体験をしてもらうのです。本物の牛さんはなかなか連れていけないので、せめて大きさが伝わる模型に変わりを務めてもらいます。
そんな心強い牛の模型とともに、小学校の体育館で開催されることが多いモーモースクール。目的は、酪農家さんの仕事や、牛乳の製造過程においてそれぞれどんな品質管理を行っているか、またそもそも牛乳とはどういった食材なのか…なんとなく見聞きしてはいても、きちんと学んだことはない牛乳のあれこれについて、総合的に学ぶ機会を設けようということにあります。

牛乳の管理団体や酪農組合、酪農家さんや私どものような乳業メーカーが一つのチームとなって取り組んでいる出前授業というかたちの活動、それがわくわくモーモースクールです。
出かける先は豊橋・田原の小学校様が多く、この度も豊橋市内の某小学校さまにてモーモースクールを開催しました。元気いっぱいな六年生の皆さんが参加してくださいました。
まずは酪農家さんのお話。どんなスケジュールで一日の仕事をしているか、牛さんのお世話で気を配っている点は何か、どんなところが苦労であり大変なのか…などの興味深いお話を教えてくださいます。まさに職業経験に基づいた生きたお話ですよね。この日は子牛の出産の動画などもあり、命誕生の瞬間に立ち会えているような気持ちになりました。
酪農家さんのお仕事には365日お休みがありませんよね。また牛乳も毎日搾ってあげなければいけません。生き物のお世話をしているのだから当然なのですが、教えられて初めて気が付くことでもあり、当たり前の事実に子どもたちがはっとした表情をしているのが見られます。牛乳を生産する仕事はとっても大変なんだなぁ~って感じてもらえると、酪農家さんの苦労も報われると思います。
またバター作りは、牛乳から様々な食品が加工されることを自分の手で体験できる機会です。生クリームを透明の滅菌瓶に入れて勢いよく上下に振り続けますと、10~15分くらいで生クリームがバター(油分)とバターミルク(水分)に分かれ、バターの出来上がりです。そこまでは休むわけにはいかない道のり、疲れたら交代、とグループで協力し合いながら皆さんに振ってもらいます。でもね、みんな。瓶を振るのであって、みんながぴょんぴょん飛び跳ねても、バターにはならないんだよ~!

そうしてできたバターはクラッカーに惜しみなく塗って、召し上がっていただきます。苦労して作ったバターはおいしい!そして市販のものとは違って、空気を含んでふわふわ!どうしてこうなるのかも説明して、乳製品の多様さや面白さをお伝えしています。
そして、いよいよあの牛さんの出番です。あの牛さん、実はお水を入れたら本物のごとく乳しぼり体験が出来るようになっている、搾乳(さくにゅう)装置付きホルスタインなんです!というか牛さんはそのための出張なんです!実物大なので、子どもたちに牛さんの大きさを実感してもらえるということもあります。

乳しぼりでは順番こにその牛の乳首をぎゅっと握って、牛乳(水)を搾りだしてもらうのですが、コツがいるので得意な子は勢いよく太い水が出てきます。「知り合いに酪農家さんがいるの?」とお聞きしてもいないという返事。じゃあ天性のものだね、酪農家になったほうがいいかもよ~なんてお話しながら、こちらも全員に体験していただきます。インパクト絶大な牛さんでの搾乳体験で、少しでも今日のことを皆さんの記憶にとどめてもらいやすくなるでしょうか。
工場に届いた牛乳が、どのような品質・衛生管理を行って商品化しているのかも、私どもメーカーの者が毎回お話しています。製造過程では膨大なチェック項目をクリアしながら一つ一つ安心と安全を積み上げていることなど、給食牛乳が皆さんの手元に届くまでを一通り説明させていただきます。

体験の順番待ちをしている時など、子どもさんたちと言葉を交わす機会が多くありますが、どの子もいきいきとして目が輝いています。普段の授業とは違うせいでもあるでしょうが、学校給食で毎日目にし口にしている牛乳という身近な食材だからこそ、自分の身の回りのこととして、この出前授業に興味が持てるのかもしれません。
また、命に関してのお話もさせていただきました。母牛は妊娠出産してはじめて牛乳が搾れるようになるが、その妊娠は人間がさせているということ。本来は子牛のための牛乳を、わたしたち人間がいただいている、だから牛乳は貴重で大切な食材なんだということなど…。
あれこれ盛り沢山な内容で体験する側の子どもたちは大変かもしれませんが、給食牛乳に関わる者としてお伝えしたいことはこの他にもいっぱいあります。次世代を担う子どもたちに牛乳事業を通じて様々な観点からお伝えしていく授業、これが「わくわくモーモースクール」です。
※今回ご紹介した「わくわくモーモースクール」の開催につきましては、自治体を通しての事業になりますので、弊社へのお問い合わせはご遠慮ください。